オフィスのLAN工事を行う際に、wifiによって無線化したいという要望を持つ方が増えています。
wifiは無線LANの一つで、厳密には無線LANの規格の一つがwifiなのですが、今ではほとんど同じ意味で使用されています。
オフィスでwifiを導入した場合に、どのようなメリットがあるのでしょうか?逆にどのようなデメリットがあるのでしょうか?
この記事では、オフィスのLAN工事におけるwifiの導入について解説いたします。
▶目次
1、wifi導入のメリット
Wifi導入のメリットについて解説します。
オフィス内のどこでもインターネットに接続できる
wifiによってオフィスを無線化すると、電波の届く範囲でならオフィスのどこにいてもインターネットに接続できます。
例えば、会議の際に自身のパソコンを会議室に持ち込んでウェブページを資料として提示したり、工場内で軽作業をしながら確認事項を調べたりメールの送受信をしたりすることが可能になります。
複合機などの機器との接続もLANケーブルの接続が不要になるので、デスク以外のスペースでも仕事をしやすくなります。
ケーブルを減らすことができる
無線でネットワーク接続することにより、これまで使用していたLANケーブルが不要になります。
これによって、オフィスの見た目をスッキリさせることができるというメリットの他に、次回以降のネットワーク工事が容易になるという点があります。
有線配線を行う場合には、配線経路をできるだけスッキリさせるようにオフィスレイアウトを考える必要があり、レイアウト変更の際にはいったんケーブルを抜いてから元通りの機器に接続する必要があるため、LAN工事の際のケーブルの管理が非常に重要なものとなります。場合によっては、配線を行うために机や棚を移動させたり、OAフロアをあけて配線を大きく組み替えたりする必要も生じます。
wifiでの接続の場合には、機器ごとにネットワークにアクセスできるので、LAN工事が非常に楽になります。また、これらの工事も不要になるので将来的にはコスト削減にもつながります。
顧客へのサービスになる
施設や飲食店でwifiを導入する場合には、顧客へのサービスになります。この場合、自社のスタッフが利用するチャンネルと、一般の顧客が利用できるチャンネルは分けて管理するのが一般的です。
2、wifi導入のデメリット・注意点
wifi導入のデメリット・注意点について紹介します。
セキュリティに関する問題
wifiに関する最大の注意点はセキュリティです。
無線LANに、悪意ある第三者が外部から侵入し、ネットワークに接続されている端末のデータを盗み見たり、データを書き換えたりしてしまうケースは珍しくありません。
このような悪質な不正アクセスを防ぐために以下の手段を取ってください。
- 導入しようとするwifiの方式について、できるだけリスクの低い方式で設定するようにLAN工事業者に依頼してください。
- 導入後であれば、wifiのアクセスログを確認し、不正な侵入者がいるかいないかをチェックします。もし不正な侵入者が発見された場合には、直ちにセキュリティソフトを導入し、外部からの侵入を許さないように設定の変更をかけてください。
- IDとパスワードを設定する。パスワードは初期設定のものがありますが、セキュリティを高めるために定期的に変更しましょう。
また、二段階認証を行ったり、オフィス内の機器を一元管理するPCでアクセス権限を設定するなどの徹底をしたりすることにより、さらにセキュリティを高めることができます。
また、万が一ランサムウェアやマルウェアなど不正なアクセスが起こってしまった際の対応についても社内で決定しておく必要があります。
有線LAN接続の場合には、不正アクセスのあったパソコンからLANケーブルを抜くだけでネットワークから外れることができますが、無線LANで接続されている場合には、パソコンの操作によってネットワークを切断しなければなりません。
ケーススタディとして、トラブル時の操作方法についてまとめて、社内で共有しておけば、オフィスの他の端末への感染を事前に防ぐことができます。
電波に関する問題
インターネットアクセスの速度と安定性についてもwifiの際にはよく言われます。
無線で接続している以上、有線LANよりも速度や安定性が落ちてしまうのはやむをえない部分ではあります。
しかし、最近では無線LANの性能も上がってきており、ビジネスとして十分利用できるレベルに変わりました。
十分な速度が確保されない場合には、アクセスポイントのポジションや機器を変更することにより状況を大きく改善できるかもしれません。
コストパフォーマンスに関する問題
将来的には、無線化が進んでいくことになるかと思われますが、現時点では有線LANに比較してwifiは工事費がかなり高額になります。
便利なことは間違いないですが、工事費を比較してそれに見合う効果があるか否かを検討してください。
3、wifiの導入方法
Wifiの導入方法について説明します。
wifiの設置条件を考える
wifiの場合は無線なので、配線については考える必要がありません。
その代わりに、デバイスの使用台数、電波の届く範囲、電波の干渉について考えなければいけません。
wifiを利用するには、ルーターからアクセスポイントという電波中継地点を通して、オフィス内の必要な個所に届ける必要があります。
アクセスポイントの性能によって、同時に接続できる機器の台数、電波の強さ、電波の届く範囲が異なります。また、柱などに影になる場合、電波が跳ね返してしまうこともあるので注意しましょう。
電波の干渉については、導入工事の際に工事業者にて周波数を測定します。近隣のオフィスなどで、まれに近い周波数を使用している場合があり、混戦が生じてしまった際にはインターネットが接続できなかったり、自社のネットワークに部外者が侵入してしまったりするがあります。
干渉が起こりうる場合には、使用する周波数の設定を変更することにより干渉を回避することができます。
これらを踏まえて、wifiの速度や電波の強度に見合った機器を選択することが重要です。
オフィスの設備の確認をする
wifiを利用するために使用するアクセスポイントは、一般的には天井に穴を空けて天井裏に隠したり、壁の中に隠したりします。
また、アクセスポイントは電源を必要とするため、設置場所の近くに電源コンセントが必要になります。
これらの工事を行っても問題ないか否かを自社ビルの場合は権限者に、テナントの場合はビルの管理者に確認する必要があります。
4、まとめ
オフィスLAN工事のwifi導入のメリット・デメリットについて紹介しました。
wifiは、社内のLANケーブルをなくすことにより業務の効率化と将来的な工事コストの削減が図れるので非常に魅力的なサービスです。一方で、セキュリティに関する懸念と、インターネットの速度や安定性が注意事項として挙げられます。LAN工事のコストが高額になるのもデメリットの一つです。
導入を行う際には、電波強度や機器のスペックなどの基本的な条件とあわせて、アクセスポイントの設置場所についても検討する必要があります。
この記事を参考にオフィスのネットワーク環境について検討いただけましたら幸いです。